新規集患・定着化の
仕組みづくり

歯科医院の経営において、新規患者の獲得は永遠の課題です。特に近年は、歯科医院の飽和状態が進み、2022年の調査では全国の歯科医院数が約70,000件を超え、競争が一段と激化しています。そんな中で、効果的な広告戦略を実施している医院とそうでない医院では、月間の新規患者数に2倍以上の開きが出ているというデータもあります。本記事では、実践的な広告戦略と、その具体的な実施方法についてご紹介します。

■費用対効果の高いWeb広告戦略

インターネット広告市場は年々拡大を続け、2023年には2.8兆円規模に達しています。特に歯科分野では、患者の約75%がネットで歯医者を検索してから来院を決めるというデータがあります。

1. Google広告の活用
– 地域と症状に特化したキーワード選定
– 予算は月5-10万円からスタート
– クリック単価は300-800円程度に設定
– 土日や平日夜の時間帯に重点配信

2. SNS広告の展開
– Instagram・Facebook広告で視覚的訴求
– 治療前後の写真を活用（患者の同意必須）
– 投稿頻度は週2-3回が最適
– エンゲージメント率の高い投稿を分析

■ホームページの改善ポイント

自院のホームページは、Web広告の着地点として極めて重要です。調査によると、ホームページのデザインリニューアルで問い合わせ数が平均40%増加するというデータがあります。

1. 重要な改善ポイント
– スマートフォン対応の完全対応
– 予約フォームの簡略化（3ステップ以内）
– 医院の特徴を明確に表示
– スタッフ写真で親近感アップ

2. SEO対策の基本
– 地域名+症状のキーワード最適化
– 定期的な記事更新（月4本以上）
– 画像の最適化とalt属性の設定
– 内部リンクの適切な設置

■オフライン施策との連携

デジタル施策だけでなく、従来型の広告手法との組み合わせも重要です。実際に、オンライン・オフラインを組み合わせた医院は、新規患者数が平均で1.5倍に増加したというデータがあります。

1. チラシ配布の効果的な方法
– ターゲット層の多い場所を選定
– QRコードでWeb誘導
– 特典付きクーポンの掲載
– 配布時期の最適化（引越しシーズンなど）

2. 既存患者の紹介促進
– 紹介カードのデザイン刷新
– 紹介特典の設定
– LINEでの情報発信
– 定期的なリマインドメール

まとめ

広告戦略の成功には、継続的な実施と効果測定が不可欠です。まずは、本記事で紹介した施策の中から1-2つを選んで実施を始めることをお勧めします。3ヶ月程度の試行期間を設け、効果を測定しながら徐々に施策を追加していきましょう。また、患者からのフィードバックを積極的に集め、施策の改善に活かすことで、より効果的な広告戦略を構築することができます。

山﨑　洋輝

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